企業情報

国際物理オリンピック2023日本大会

国際物理オリンピック2023日本大会で使用した実験問題試験用装置を製作

島津理化は、地震や豪雨により被災した地域の学校へ訪問理科実験による復興支援や、電気の利用に関するプログラミング支援授業を通じて、子供たちの科学への興味や探求心を高めるための“理科教育支援”に取り組んでいます。
また、「未来の科学者を育てたい」との思いのもと、2023年7月10日~17日に国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)で開催された国際物理オリンピック2023において、当社は実験問題試験で使用される実験装置の製作を担当しました。

国際物理オリンピック(International Physics Olympiad:IPhO)とは、世界の高校生等を対象とした国際的な物理学のコンテストです。1967年にポーランドで開かれた第1回大会以来、ほぼ毎年開催されており、開催目的は、物理学への興味や関心、能力を高め合うこと、国際交流を通じて参加国の物理教育を発展させることとされています。


当社は、今大会に携わる実験部会所属の大学教員らによって考案・製作された問題と試作機をもとに、品質やコストを考慮しつつ2種の実験装置を設計し、それぞれ約450セットの量産を行いました。
もともと事業の柱の1つに教育用理化学機器の製造販売をおこなう当社は、普段から小・中・高校・大学へ安全かつ理解が深まる理化学実験装置を提供しており、今回のIPhO2023日本大会でも特に重要な「安全性」と「性能の均一性」を期待され、装置製作を請け負うことになりました。
製作期間中はちょうどコロナ感染が世界的に拡大し、また、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界経済への影響から、電子部品等の生産がストップする中で、主要部品の入手が困難な状況が続き、樹脂や金属などの材料が高騰するなど、何度も設計の変更を余儀なくされました。しかし、困難に直面するたびに関係者で知恵を出し合い、最後には世界各国の参加者から高評価を頂く装置を完成させることができました。
実際の試験でも、当社の実験問題試験用装置は十分にその役割を果たすことがだき、若き物理学者の卵たちが、実験問題試験に取り組んでいました。

国際物理オリンピック2023
国際物理オリンピック2023

世界中から集まった選手たちがこの経験を通して未来の科学者に育ち、新たな科学技術の発展によるより良い社会になることを期待します。

国際物理オリンピック2023

「発振器」のはたらきをする実験装置質量をはかる課題で使用

国際物理オリンピック2023

「複屈折」という光学的な現象を用いて厚さをはかる実験装置

社長 中井泉(左から2番目)とIPhO2023実験問題試験用装置開発チーム

今後も当社は、科学の発展に必要な人材育成や研究を支え続け、社会に貢献していきます。