ブックタイトルLABORATORY_vol2
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LABORATORY_vol2
643例1:マトリクスを用いた方法※発生可能性「2比較的高い」,重篤度「2後遺障害」の場合の見積り例危険または健康障害の程度(重篤度)死亡後遺障害休業軽傷危険または極めて高い5543健康障害を生じる比較的高い5432おそれの程度可能性あり4321(発生可能性)ほとんどない4311リスク優先度4~5高直ちにリスク低減措置を講じる必要がある。措置を講じるまで作業停止する必要がある。2~3中速やかにリスク低減措置を講じる必要がある。措置を講じるまで使用しないことが望ましい。1低必要に応じてリスク低減措置を実施する。例2:化学物質などの有害性とばく露の量を相対的に尺度化し,リスクを見積もる方法の例1SDSを用い,GHS分類などを参照して有害性のレベルを区分する。有害性のレベルGHS分類における健康有害性クラスと区分・皮膚刺激性・眼刺激性A・吸引性呼吸器有害性・その他のグループに分類されない粉体,蒸気・急性毒性B・特定標的臓器(単回ばく露)・急性毒性・皮膚腐食性・眼刺激性C・皮膚感作性・特定標的臓器(単回ばく露)・特定標的臓器(反復ばく露)・急性毒性・発がん性D・特定標的臓器(反復ばく露)・生殖毒性・生殖細胞変異原性E・発がん性・呼吸器感作性2作業環境レベルと作業時間などから,ばく露レベルを推定する。(作業レベルは以下のような式で算出)作業環境レベル=(取扱量)+(揮発性・飛散性)-(換気)取扱量多量:3中量:2少量:1揮発性・飛散性高:3中:2低:1区分2区分2区分1区分4区分2区分3区分1区分1区分1区分1区分2区分1,2区分2区分1区分1,2区分1,2区分1区分1換気遠隔操作・完全密閉:4局所排気:3全体換気・屋外作業:2換気なし:1例4:コントロール・バンディングを用いた方法「コントロール・バンディング」は簡易なリスクアセスメント手法です。これは,ILO(国際労働機関)が,開発途上国の中小企業を対象に,有害性のある化学物質から労働者の健康を守るために,簡単で実用的なリスクアセスメント手法を取り入れて開発した化学物質の管理手法です。厚生労働省のホームページ「職場のあんぜんサイト」で,支援システムを提供しており,サイト上で必要な情報を入力すると,リスクレベルと,それに応じた実施すべき対策と参考となる対策シートが得られます。http://anzeninfo.mhlw.go.jp/ras/user/anzen/kag/ras_start.htmlなお,対策シートはリスク低減措置の検討の参考としていただく材料です。換気設備,保護具などの必要性について検討いただくとともに,より詳細なリスクアセスメントに向けたスクリーニングとしても使用することが可能です。例5:ECETOC-TRA(ばく露推定モデルの一つ)を用いた方法欧州化学物質生態毒性・毒性センター(ECETOC)が提供するリスクアセスメントツール(ECETOC-TRA)は定量的評価が可能なツールとして普及しています。http://www.ecetoc.org/tra(英語)化学物質の物理化学的性状,作業工程(プロセスカテゴリー),作業時間,換気条件などを入力することによって,推定ばく露濃度が算出されます。その他危険物については,化学プラントのセーフティ・アセスメントなどの方法があります。ステップ3リスクアセスメントの結果に基づき,労働者の危険または健康障害を防止するための措置の内容を検討してください。◆労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則や特定化学物質障害予防規則などの特別則に規定がある場合は,その措置をとる必要があります。◆次に掲げる優先順位でリスク低減措置の内容を検討します。ア.危険性または有害性のより低い物質への代替,化学反応のプロセスなどの運転条件の変更,取り扱う化学物質などの形状の変更など,またはこれらの併用によるリスクの低減※危険有害性の不明な物質に代替することは避けるようにしてください。イ.化学物質のための機械設備などの防爆構造化,安全装置の二重化などの工学的対策または化学物質のための機械設備などの密閉化,局所排気装置の設置などの衛生工学的対策ウ.作業手順の改善,立入禁止などの管理的対策エ.化学物質などの有害性に応じた有効な保護具の使用ステップ4リスク低減措置の内容の検討リスク低減措置の実施検討したリスク低減措置の内容を速やかに実施するよう努めます。死亡,後遺障害または重篤な疾病のおそれのあるリスクに対しては,暫定的措置を直ちに実施してください。リスク低減措置の実施後に,改めてリスクを見積もるとよいでしょう。リスク低減措置の実施には,例えば次のようなものがあります。◆危険有害性の高い物質から低い物質に変更する。物質を代替する場合には,その代替物の危険有害性が低いことを,GHS区分やばく露限界値などをもとに,しっかり確認します。確認できない場合には,代替すべきではありません。危険有害性が明らかな物質でも,適切に管理して使用することが大切です。◆温度や圧力などの運転条件を変えて発散量を減らす。◆化学物質などの形状を,粉から粒に変更して取り扱う。◆衛生工学的対策として,蓋のない容器に蓋をつける,容器を密閉する,局所排気装置のフード形状を囲い込み型に改良する,作業場所に拡散防止のためのパーテーション(間仕切り,ビニールカーテンなど)を付ける。◆全体換気により作業場全体の気中濃度を下げる。◆発散の少ない作業手順に見直す,作業手順書,立入禁止場所などを守るための教育を実施する。◆防毒マスクや防じんマスクを使用する。使用期限(破過など),保管方法に注意が必要です。ドラフトチャンバー排気ガス処理装置排風機実験台戸棚・薬品庫・ワゴンクリーン・ハザード・環境試験施設/機器動物関連施設/機器医学研究・検査施設・RI施設グローブボックス廃水処理装置メンテナンス技術資料さくいん作業環境レベルばく露レベル5以上4321以下400時間超過ⅤⅤⅣⅣⅢ100~400時間ⅤⅣⅣⅢⅡ年間作業時間25~100時間ⅣⅣⅢⅢⅡ10~25時間ⅣⅢⅢⅡⅡ10時間未満ⅢⅡⅡⅡⅠ3有害性のレベルとばく露レベルからリスクを見積る。ばく露レベルⅤⅣⅢⅡⅠE55443D54432有害性のレベルC44332B43322A32221※これらの表はリスクの見積り方を例示するものであり,有害性のレベル分け,ばく露レベルの推定は仮のものです。例3:実測値を用いる方法実際に,化学物質などの気中濃度を測定し,ばく露限界値と比較する方法は,最も基本的な方法として推奨されます。リスクは許容範囲内であるとみなすばく露限界値*リスクは許容範囲を超えているステップ5リスクアセスメント結果の労働者への周知リスクアセスメントを実施したら,以下の事項を労働者に周知します。1周知事項1対象物の名称2対象業務の内容3リスクアセスメントの結果(特定した危険性または有害性,見積もったリスク)4実施するリスク低減措置の内容2周知の方法は以下のいずれかによります。※SDSを労働者に周知する方法と同様です。1作業場に常時掲示,または備え付け2書面を労働者に交付3電子媒体で記録し,作業場に常時確認可能な機器(パソコン端末など)を設置3法第59条第1項に基づく雇い入れ時の教育と同条第2項に基づく作業変更時の教育において,上記の周知事項を含めるものとします。4リスクアセスメントの対象の業務が継続し,上記の労働者への周知などを行っている間は,それらの周知事項を記録し,保存しておきましょう。その他法に基づくリスクアセスメント義務の対象とならない化学物質などであっても,法第28条の2に基づき,リスクアセスメントを行う努力義務がありますので,上記に準じて取り組むように努めてください。「ラベルでアクション」運動実施中!職場で扱っている製品のラベル表示を確認しましょう「ラベルでアクション」GHSマーク(絵表示)があったら,SDSの確認とリスクアセスメントの実施につなげましょう(製品の名称)△△△製品○○○○(絵表示)(注意喚起語)危険ばく露量(実測値)気中濃度の測定方法◆作業環境測定◆個人ばく露測定◆簡易な測定(検知管,パッシブサンプラーなど)検知管*許容濃度,TLV-TWAバッジ型パッシブサンプラー(危険有害性情報)・引火性液体及び蒸気・吸入すると有毒(注意書き)取扱い注意(供給者の特定)・火気厳禁・防爆構造の器具を用いる作業環境測定http://www.shimadzu-rika.co.jp/