ブックタイトルLABORATORY_vol2
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LABORATORY_vol2
642労働安全衛生法による化学物質リスクアセスメントについてXXXXXXXXXReference Dataドラフトチャンバー排気ガス処理装置排風機実験台戸棚・薬品庫・ワゴンクリーン・ハザード・環境試験施設/機器動物関連施設/機器医学研究・検査施設・RI施設グローブボックス廃水処理装置メンテナンス技術資料さくいん労働災害を防止するためのリスクアセスメント労働安全衛生法が改正されました(平成28年6月1日施行)一定の危険有害性のある化学物質(640物質)について1.事業場におけるリスクアセスメントが義務づけられました。2.譲渡提供時に容器などへのラベル表示が義務づけられました。<リスクアセスメントとは>化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し,それによる労働者への危険または健康障害を生じるおそれの程度を見積もり,リスクの低減対策を検討することをいいます。<対象となる事業場は>業種,事業場規模にかかわらず,対象となる化学物質の製造・取扱いを行うすべての事業場が対象となります。製造業,建設業だけでなく,清掃業,卸売・小売業,飲食店,医療・福祉業など,さまざまな業種で化学物質を含む製品が使われており,労働災害のリスクがあります。<リスクアセスメントの実施義務の対象物質>事業場で扱っている製品に,対象物質が含まれているかどうか確認しましょう。対象は安全データシート(SDS)の交付義務の対象である640物質です。640物質は以下のサイトで公開しています。http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/GHS_MSD_FND.aspx対象物質に当たらない場合でも,リスクアセスメントを行うよう努めましょう。1.リスクアセスメントの実施時期(安衛則第34条の2の7第1項)施行日(平成28年6月1日)以降,該当する場合に実施します。<法律上の実施義務>1.対象物を原材料などとして新規に採用したり,変更したりするとき2.対象物を製造し,または取り扱う業務の作業の方法や作業手順を新規に採用したり変更したりするとき3.前の2つに掲げるもののほか,対象物による危険性または有害性などについて変化が生じたり,生じるおそれがあったりするとき※新たな危険有害性の情報が,SDSなどにより提供された場合など<指針による努力義務>1.労働災害発生時※過去のリスクアセスメント(RA)に問題があるとき2.過去のRA実施以降,機械設備などの経年劣化,労働者の知識経験などリスクの状況に変化があったとき3.過去にRAを実施したことがないとき※施行日前から取り扱っている物質を,施行日前と同様の作業方法で取り扱う場合で,過去にRAを実施したことがない,または実施結果が確認できない場合2.リスクアセスメントの実施体制リスクアセスメントとリスク低減措置を実施するための体制を整えます。安全衛生委員会などの活用などを通じ,労働者を参画させます。担当者説明実施内容総括安全衛生管理者など安全管理者または衛生管理者作業主任者,職長,班長など化学物質管理者専門的知識のある人外部の専門家事業の実施を統括管理する人(事業場のトップ)労働者を指導監督する地位にある人化学物質などの適切な管理について必要な能力がある人の中から指名必要に応じ,化学物質の危険性と有害性や,化学物質のための機械設備などについての専門的知識のある人※事業者は,上記のリスクアセスメントの実施に携わる人(外部の専門家を除く)に対し,必要な教育を実施するようにします。3.リスクアセスメントの流れリスクアセスメントは以下のような手順で進めます。ステップ1ステップ2リスクアセスメントなどの実施を統括管理リスクアセスメントなどの実施を管理リスクアセスメントなどの技術的業務を実施対象となる化学物質,機械設備のリスクアセスメントなどへの参画労働衛生コンサルタント,労働安より詳細なリスクアセスメント手法全コンサルタント,作業環境測定士,の導入など,技術的な助言を得るインダストリアル・ハイジニストなために活用が望ましいど化学物質などによる危険性または有害性の特定特定された危険性または有害性によるリスクの見積り(法第57条の3第1項)(安衛則第34条の2の7第2項)リスクアセスメントステップ1化学物質などについて,リスクアセスメントなどの対象となる業務を洗い出した上で,SDSに記載されているGHS分類などに即して危険性または有害性を特定します。ラベルSDS(安全データシート)リスクアセスメントは,対象物を製造し,または取り扱う業務ごとに,次のア~ウのいずれかの方法またはこれらの方法の併用によって行います。(危険性についてはアとウに限る)ア.対象物が労働者に危険を及ぼし,または健康障害を生ずるおそれの程度(発生可能性)と,危険または健康障害の程度(重篤度)を考慮する方法具体的には以下のような方法があります。発生可能性と重篤度を相対的に尺度化し,それらを縦軸と横軸とし,あらマトリクス法かじめ発生可能性と重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用してリスクを見積もる方法発生可能性と重篤度を一定の尺度によりそれぞれ数値化し,それらを加数値化法算または乗算などしてリスクを見積もる方法枝分かれ図を用いた方法コントロール・バンディング災害のシナリオから見積もる方法ラベルによって,化学物質の危険有害性情報や適切な取扱い方法を伝達(容器や包装にラベルの貼付や印刷)<危険有害性クラスと区分(強さ)に応じた絵表示と注意書き>【炎】可燃性/引火性ガス引火性液体可燃性固体自己反応性化学品など【円上の炎】支燃性/酸化性ガス酸化性液体・固体【爆弾の爆発】爆発物自己反応性化学品有機過酸化物【腐食性】金属腐食性物質皮膚腐食性眼に対する重大な損傷性【ガスボンベ】<GHS国連勧告に基づくSDSの記載項目>1化学品および会社情報9物理的および化学的性質(引火点,蒸気圧など)2危険有害性の要約(GHS分類)10安定性および反応性3組成および成分情報(CAS番号,化学名,含有量など)11有害性情報(LD50値,IARC区分など)4応急措置12環境影響情報5火災時の措置13廃棄上の注意6漏出時の措置14輸送上の注意7取扱いおよび保管上の注意15適用法令(安衛法,化管法,消防法など)8ばく露防止および保護措置(ばく露限界値,保護具など)16その他の情報ステップ2高圧ガス化学物質などによる危険性または有害性の特定【どくろ】事業者間の取引時にSDSを提供し,化学物質の危険有害性や適切な取扱い方法などを伝達急性毒性(区分1~3)【感嘆符】急性毒性(区分4)皮膚刺激性(区分2)眼刺激性(区分2A)皮膚感作性特定標的臓器毒性(区分3)など【環境】水生環境有害性【健康有害性】呼吸器感作性生殖細胞変異原性発がん性生殖毒性特定標的臓器毒性(区分1,2)吸引性呼吸器有害性リスクの見積り発生可能性と重篤度を段階的に分岐していくことによりリスクを見積もる方法化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)などを用いてリスクを見積もる方法化学プラントなどの化学反応のプロセスなどによる災害のシナリオを仮定して,その事象の発生可能性と重篤度を考慮する方法ステップ3ステップ4ステップ5リスクの見積りに基づくリスク低減措置の内容の検討(法第57条の3第1項)リスク低減措置の実施(法第57条の3第2項努力義務)リスクアセスメント結果の労働者への周知(安衛則第34条の2の8)イ.労働者が対象物にさらされる程度(ばく露濃度など)とこの対象物の有害性の程度を考慮する方法具体的には以下のような方法があります。このうち実測値による方法が望ましいです。対象の業務について作業環境測定などによって測定した作業場所における化学物質などの気中濃度などを,その化学物質などのばく露限界実測値による方法(日本産業衛生学会の許容濃度,米国産業衛生専門家会議(ACGIH)のTLV-TWAなど)と比較する方法使用量などから推定する方法あらかじめ尺度化した表を使用する方法数理モデルを用いて対象の業務の作業を行う労働者の周辺の化学物質などの気中濃度を推定し,その化学物質のばく露限界と比較する方法対象の化学物質などへの労働者のばく露の程度とこの化学物質などによる有害性を相対的に尺度化し,これらを縦軸と横軸とし,あらかじめばく露の程度と有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用してリスクを見積もる方法ウ.その他,アまたはイに準じる方法危険または健康障害を防止するための具体的な措置が労働安全衛生法関係法令の各条項に規定されている場合に,これらの規定を確認する方法などがあります。1特別則(労働安全衛生法に基づく化学物質等に関する個別の規則)の対象物質(特定化学物質,有機溶剤など)については,特別則に定める具体的な措置の状況を確認する方法2安衛令別表1に定める危険物および同等のGHS分類による危険性のある物質について,安衛則第四章などの規定を確認する方法http://www.shimadzu-rika.co.jp/