ブックタイトルLABORATORY_vol1
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LABORATORY_vol1
684ドラフトチャンバーR ef er en c e D a t a大気汚染防止法の概要(固定発生源)排ガス処理装置排風機実験台戸棚・薬品庫・ワゴン医学研究検査施設クリーン関連設備RI施設グローブボックス実験動物施設・設備廃水処理装置メンテナンス技術資料さくいん1.目的わが国では,大気環境を保全するため,昭和43年に「大気汚染防止法」が制定された。この法律は,大気汚染に関して,国民の健康を保護するとともに,生活環境を保全することなどを目的としている。2.制度の概要人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として,「環境基準」が環境基本法において設定されており,この環境基準を達成することを目標に,大気汚染防止法に基づいて規制を実施している。大気汚染防止法では,固定発生源(工場や事業場)から排出又は飛散する大気汚染物質について,物質の種類ごと,施設の種類・規模ごとに排出基準等が定められており,大気汚染物質の排出者等はこの基準を守らなければならない。工場及び事業場から排出される大気汚染物質に対する規制方式とその概要物質名主な発生の形態等規制の方式と概要硫黄酸化物(SOx)ばい煙ばいじんカドミウム(Cd),カドミウム化合物塩素(Cl2),塩化水素(HCl)有フッ素(F),フッ化水素害(HF)等物質鉛(Pb),鉛化合物窒素酸化物(NOx)揮発性有機化合物(VOC)一般粉じん粉じん特定粉じん(石綿)特定物質(アンモニア,一酸化炭素,メタノール等28物質)有害大気ベンゼン汚染物指質定物トリクロロエチレン**質テトラクロロエチレンボイラー,廃棄物焼却炉等における燃料や鉱石等の燃焼同上及び電気炉の使用銅,亜鉛,鉛の精錬施設における燃焼,化学的処理1)排出口の高さ(He)及び地域ごとに定める定数Kの値に応じて規制値(量)を設定許容排出量(Nm3/h)=K×10-3×He2一般排出基準:K=3.0~17.5特別排出基準:K=1.17~2.342)季節による燃料使用基準燃料中の硫黄分を地域ごとに設定硫黄含有率:0.5~1.2%以下3)総量規制総量削減計画に基づき地域・工場ごとに設定施設・規模ごとの排出基準(濃度)一般排出基準:0.04~0.7g/Nm3特別排出基準:0.03~0.2g/Nm3施設ごとの排出基準1.0mg/Nm3化学製品反応施設や廃棄物焼施設ごとの排出基準却炉等における燃焼,化学的塩素:30mg/Nm3処理塩化水素:80,700mg/Nm3アルミニウム精錬用電解炉や施設ごとの排出基準ガラス製造用溶融炉等におけ1.0~20mg/Nm3る燃焼,化学的処理銅,亜鉛,鉛の精錬施設等における燃焼,化学的処理ボイラーや廃棄物焼却炉等における燃焼,合成,分解等施設ごとの排出基準10~30mg/Nm31)施設・規模ごとの排出基準新設:60~400ppm既設:130~600ppm2)総量規制総量削減計画に基づき地域・工場ごとに設定VOCを排出する次の施設化学製品製造・塗装・接着・施設ごとの排出基準印刷における乾燥施設,吹付400~60,000ppmC塗装施設,洗浄施設,貯蔵タンクふるいや堆積場等における鉱施設の構造,使用,管理に関する基準石,土砂等の粉砕・選別,機械集じん機,防塵カバー,フードの設置,的処理,堆積散水等切断機等における石綿の粉砕,事業場の敷地境界基準混合その他の機械的処理濃度10本/リットル吹き付け石綿使用建築物の解体・改造・補修作業特定施設において故障,破損等の事故時に発生建築物解体時等の除去,囲い込み,封じ込め作業に関する基準事故時における措置を規定事業者の復旧義務,都道府県知事への通報等知見の集積等,各主体の責務を規定234物質(群)事業者及び国民の排出抑制等自主的取このうち「優先取組物質」として組,国の科学的知見の充実,自治体の22物質汚染状況把握等ベンゼン乾燥施設等トリクロロエチレンによる洗浄施設等テトラクロロエチレンによるドライクリーニング機等施設・規模ごとに抑制基準新設:50~600mg/Nm3既設:100~1500mg/Nm3施設・規模ごとに抑制基準新設:150~300mg/Nm3既設:300~500mg/Nm3施設・規模ごとに抑制基準新設:150~300mg/Nm3既設:300~500mg/Nm3*ばいじん及び有害物質については,都道府県は条例で国の基準より厳しい上乗せ基準を設定することができる。*上記基準については,大気汚染状況の変化,対策の効果,産業構造や大気汚染源の変化,対策技術の開発普及状況等を踏まえ,随時見直しを行っていく必要がある。**(低濃度でも継続的な摂取により健康影響が懸念される物質)ばい煙の排出規制「ばい煙」とは,物の燃焼等に伴い発生するいおう酸化物,ばいじん(いわゆるスス),有害物質(1)カドミウム及びその化合物,2)塩素及び塩化水素,3)弗素,弗化水素及び弗化珪素,4)鉛及びその化合物,5)窒素酸化物)をいう。大気汚染防止法では,33の項目に分けて,一定規模以上の施設が「ばい煙発生施設」として定められている。ばい煙の排出基準は,大別すると次のとおり。一般排出基準:ばい煙発生施設ごとに国が定める基準特別排出基準:大気汚染の深刻な地域において,新設されるばい煙発生施設に適用されるより厳しい基準(いおう酸化物,ばいじん)上乗せ排出基準:一般排出基準,特別排出基準では大気汚染防止が不十分な地域において,都道府県が条例によって定めるより厳しい基準(ばいじん,有害物質)総量規制基準:上記に挙げる施設ごとの基準のみによっては環境基準の確保が困難な地域において,大規模工場に適用される工場ごとの基準(いおう酸化物及び窒素酸化物)これら排出基準には,量規制,濃度規制及び総量規制の方法がある。・事故時の措置故障,破損その他の事故が起こり,ばい煙又は特定物質が多量に排出されたとき,排出者は直ちに応急の措置を講じ,復旧に努めるとともに事故の状況を都道府県知事等に通報しなければならない。都道府県知事等は,事故により周辺の区域における人の健康に影響があると認めるときは,排出者に対して,必要な措置をとるよう命ずることができる。なお,「特定物質」とは,物の合成,分解その他の化学的処理に伴い発生する物質のうち,人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがある物質で,次の28物質が定められている。(1)アンモニア,(2)弗化水素,(3)シアン化水素,(4)一酸化炭素,(5)ホルムアルデヒド,(6)メタノール,(7)硫化水素,(8)燐化水素,(9)塩化水素,(10)二酸化窒素,(11)アクロレイン,(12)二酸化いおう,(13)塩素,(14)二硫化炭素,(15)ベンゼン,(16)ピリジン,(17)フェノール,(18)硫酸(三酸化硫黄を含む。),(19)弗化珪素,(20)ホスゲン,(21)二酸化セレン,(22)クロルスルホン酸,(23)黄燐,(24)三塩化燐,(25)臭素,(26)ニッケルカルボニル,(27)五塩化燐,(28)メルカプタン揮発性有機化合物の排出抑制「揮発性有機化合物」とは大気中に排出され,又は飛散した時に気体である有機化合物(浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質として政令で定める物質を除く。)をいう。大気汚染防止法では,9の項目に分けて,一定規模以上の施設が「揮発性有機化合物排出施設」として定められている。揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制に関する施策は,揮発性有機化合物の排出の規制と事業者が自主的に行う揮発性有機化合物の排出及び飛散の抑制のための取組とを適切に組み合わせて効果的に実施することとされている。粉じんの排出規制「粉じん」とは,物の破砕やたい積等により発生し,又は飛散する物質をいう。このうち,大気汚染防止法では,人の健康に被害を生じるおそれのある物質を「特定粉じん」(現在,石綿を指定),それ以外の粉じんを「一般粉じん」として定めている。・一般粉じんに係る規制:破砕機や堆積場等の一般粉じん発生施設の種類ごとに定められた構造・使用・管理に関する基準・特定粉じん(石綿)に係る規制:発生施設:工場・事業場の敷地境界における大気中濃度の基準(1リットルにつき石綿繊維10本)排出等作業:吹付け石綿等が使用されている建築物その他の工作物を解体・改造・補修する作業における作業基準有害大気汚染物質の対策の推進「有害大気汚染物質」とは,低濃度であっても長期的な摂取により健康影響が生ずるおそれのある物質のことをいい,科学的知見の充実の下に,将来にわたって人の健康に係る被害が未然に防止されるよう施策を講じることとされている。・対象物質該当する可能性のある物質として248種類,そのうち特に優先的に対策に取り組むべき物質(優先取組物質)として次の23種類がリストアップされている。(1)アクリロニトリル,(2)アセトアルデヒド,(3)塩化ビニルモノマー(別名:クロロエチレン,塩化ビニル),(4)塩化メチル(別名:クロロメタン),(5)クロム及び三価クロム化合物,(6)六価クロム化合物,(7)クロロホルム,(8)酸化エチレン,(9)1,2-ジクロロエタン,(10)ジクロロメタン(別名:塩化メチレン),(11)水銀及びその化合物,(12)ダイオキシン類*,(13)テトラクロロエチレン,(14)トリクロロエチレン,(15)トルエン,(16)ニッケル化合物,(17)ヒ素及びその化合物,(18)1,3-ブタジエン,(19)ベリリウム及びその化合物,(20)ベンゼン,(21)ベンゾ[a]ピレン,(22)ホルムアルデヒド,(23)マンガン及びその化合物*:ダイオキシン類はダイオキシン類対策特別措置法に基づき対応している。http://www.shimadzu-rika.co.jp/